socket_select

(PHP 4 >= 4.1.0, PHP 5)

socket_select --  与えられたソケットの配列に対し、指定した有効時間で select() システムコールを実行する

説明

int socket_select ( array &read, array &write, array &except, int tv_sec [, int tv_usec] )

socket_select() はソケットの配列を受け取り、 それらの状態が変化するまで待ちます。BSD のソケットについての 知識がある方なら、これらのソケットの配列が、いわゆるファイル記述子 セットであることがご理解いただけるでしょう。3 つの独立した 配列で、ソケットリソースが監視されます。

配列 read に挙げられたソケットでは、 文字が読み込み可能になっているかどうか(厳密に言うと、読み込みが ブロックされていないかどうか - 実際には、ソケット記述子はファイルの 終端でも有効です。そのような場合、socket_read() は長さゼロの文字列を返します)を監視します。

配列 write に挙げられたソケットでは、 書き込みがブロックされていないかどうかを監視します。

配列 except に挙げられたソケットでは、 例外を監視します。

警告

終了時に配列は書き換えられ、どのソケットの状態が変わったのかが わかるようになります。

socket_select() のすべての配列を設定する必要は ありません。使用しないものについては空の配列や NULL をかわりに 指定しておくことが可能です。また、これらの配列は参照渡し であり、socket_select() をコールした後でその中身が 書き換えられていることに注意しましょう。

例 1. socket_select() の例

<?php
/* 読み込み用の配列を準備する */
$read = array($socket1, $socket2);

$num_changed_sockets = socket_select($read, $write = NULL, $except = NULL, 0);

if (
$num_changed_sockets === false) {
    
/* エラー処理 */
} else if ($num_changed_sockets > 0) {
    
/* すくなくともひとつのソケットで、何らかの出来事が起こっています */
}
?>

注意: 現状の Zend Engine の制限により、関数の参照渡しパラメータに NULL のような定数値を直接渡すことができません。一時的な 変数を使用するか、あるいは一番左に一時変数を使用する式を 使用してください。

例 2. socket_select() での NULL の使用

<?php
socket_select
($r, $w, $e = NULL, 0);
?>

tv_sec および tv_usec は、ともにタイムアウトを指定するパラメータです。 タイムアウトは、socket_select() が結果を返すまでの経過時間の最大値です。 tv_sec はゼロにすることも可能で、そうすると socket_select() は結果をすぐに返します。 これはポーリングをする際に有用です。tv_secNULL(タイムアウトしない)を指定すると、 socket_select() は無期限にブロックします。

成功した場合は、socket_select() は配列内で 変化のあったソケットリソースの数を返します。もし何かがおこる前に タイムアウト時間が経過した場合は、ゼロを返すことになります。 エラー時には FALSE が返されます。エラーコードは socket_last_error() で取得可能です。

注意: エラーかどうかを調べる際には、必ず === 演算子を 使用するようにしましょう。socket_select() は 0 を返す場合もあり、このような場合に == を用いて比較すると、エラーと判定されてしまいます。

例 3. socket_select() の返す結果を知る

<?php
if (false === socket_select($r, $w, $e = NULL, 0)) {
    echo
"socket_select() は失敗しました。原因: " .
        
socket_strerror(socket_last_error()) . "\n";
}
?>

注意: ソケットの実装によっては、取り扱いに注意すべきものがあることを 知っておいてください。基本的なルールは以下のとおりです。

  • 基本的に socket_select() のタイムアウトは 指定しないように心がけましょう。もしデータがなかった場合に、 プログラム側でそれを判定できなくなってしまいます。タイムアウトに 依存しているコードは移植性が悪く、デバッグが困難です。

  • socket_select() のコール後に値をチェックして 適切に処理するつもりがないソケットリソースは、決して配列に追加 してはいけません。 socket_select() から値が返ってきたあとは、配列内の すべてのソケットリソースをチェックする必要があります。すべての書き込み用 ソケットは書き込める必要がありますし、またすべての読み込み用ソケットは 読み込める必要があります。

  • 配列で返されたソケットに対して読み込み/書き込みをする場合には、 指定したデータを必ずしもすべて読み込み/書き込みするとは限らないことを 知っておいてください。たった 1 バイトしか読み込み/書き込みが できなかった場合にも対処できるよう準備しておきましょう。

  • ほとんどのソケット実装で、except でキャッチできる 例外はただひとつ、すなわちソケットが受け取ったデータが帯域外で あったということだけです。

socket_read()socket_write()socket_last_error() および socket_strerror() も参照ください。