ClibPDF により、PDF ドキュメントを PHP により作成可能となります。 ClibPDF の機能と API は、PDFlib に 似ています。この文書とともに、よりライブラリの詳細を説明している ClibPDF のマニュアルも読んでください。
元の ClibPDF および PHP モジュールの多くの関数名は、 PDFlib と同様に同じです。 cpdf_open() 以外の全ての関数は、最初の パラメータとしてドキュメントのハンドルをとります。
現在、このハンドルは内部で使用されていません。これは、 ClibPDF が複数の PDF ドキュメントを同時に作成する機能をサポートして いないためです。実際、これを試みても、結果は期待できません。 マルチスレッド環境での結果を予測することはできません。ClibPDF の 作者によれば、これは将来のリリースで変更されます (これを書いている時点での最新版は 1.10 です)。 もしこの機能が必要なら、pdflib モジュールを使用してください。
ClipPDF (および PDFlib) が優れているのは、 テンポラリファイルを使用せずに pdf ドキュメントを 完全にメモリ上で作成することが可能であることです。 あらかじめ定義された単位長さの座標を渡す機能も有しています (この機能は、PDFlib 関数の pdf_translate() で模擬することも可能です)。
その他の ClibPDF の機能で優れているのは、新規のページのオープン後で あっても任意のページをいつでも修正可能であるという点です。関数 cpdf_set_current_page() により、カレントの ページを離れて、他のページを修正できるようになります。
多くの機能の使用法は非常に容易です。最も困難なのは、おそらく新規に PDF ドキュメントを作成する場合でしょう。次の例が導入の手助けと なるはずです。この例では、ページを 1 つ有するドキュメントを 作成します。このページは、30pt のアウトラインフォントでテキスト "Times-Roman" により書かれます。テキストには下線が引かれます。
注意: この拡張モジュールは PECL レポジトリに移動 されており、以下のバージョン以降 PHP にバンドルされなくなっています。 PHP 5.1.0.
注意: 外部の PDF ライブラリを使用しない別のフリーな PDF 作成ツールに ついては、関連する FAQ を参照ください。
ClibPDF 関数を使用するには、ClibPDF パッケージをインストールする 必要があります。ClibPDF は、 FastIO からダウンロード可能ですが、商用で使用する場合には ライセンスを購入する必要があります。 PHP では、cpdflib >= 2 を使用する必要があります。
この関数が動作するには、 --with-cpdflib[=DIR] を指定して PHP をコンパイルする必要があります。DIR は cpdflib をインストールする ディレクトリで、/usr がデフォルトです。 ClibPDF が使用する jpeg ライブラリと tiff ライブラリの場所を指定することも できます。これを行うには、configure にオプション --with-jpeg-dir[=DIR] および --with-tiff-dir[=DIR] を 指定してください。
設定ディレクティブは定義されていません。
以下の定数が定義されています。 この関数の拡張モジュールが PHP 組み込みでコンパイルされているか、 実行時に動的にロードされている場合のみ使用可能です。
pdflib の配布ファイルには、アナログクロックを有する複数ページを 作成するような複雑な例が含まれています。以下に ClipPDF 拡張を使用して この例を PHP に変換したものを示します。
例 2. pdflib 2.0 配布ファイルからの pdfclock の例
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