第 30章ユーザが投稿したデータ

多くのPHPで最も脆弱な部分は、言語自体に起因するものではなく、単に セキュリティを考慮して書かれていないコードの問題です。この原因につ いて、指定したコードの部分の意味を常に時間をかけて吟味し、予想外の 変数が投稿された場合に有り得る損害を確かめる必要があります。

例 30-1. 危険な変数の使用

<?php
// ユーザのホームディレクトリからファイルを削除します... または他の誰
// かのディレクトリかも?
unlink ($evil_var);

// 彼らのアクセスのログを書き込む.. または違うかも?
fputs ($fp, $evil_var);

// 何かちょっとしたことを実行.. または rm -rf *?
system ($evil_var);
exec ($evil_var);

?>
常に注意してコードをテストし、Webブラウザから投稿された全ての変数 について次のような点を確認してください。

スクリプトを書いた後ではなく、書いている時にこれらの質問を適宜行う ことにより、セキュリティ改善のために不幸にして書き直しが必要になる ということを避けることができます。こうした考慮をまず行うことにより、 システムのセキュリティを保証できるわけではありませんが、改善の一助 にはなりえます。

register_globals,magic_quotes, または他の便利な設定は、有効性、発 信元、指定した変数の値について混乱を生じる可能性があるため、設定を オフにしたいと思うかもしれません。error_reporting(E_ALL) モードで PHPを動作させた場合、確認または初期化する前に使用された変数に関し て警告を発生させることも可能です。(これにより、処理時に通常とは異 なるデータを防止することが可能です)