比較演算子

比較演算子は、その名前が示すように、二つの値を比較します。

表 15-4. 比較演算子

名前結果
$a == $b等しい$a が $b に等しい時に TRUE
$a === $b等しい$a が $b に等しく同じ型でである場合に TRUE (PHP 4 で導入)。
$a != $b等しくない$a が $b に等しくない場合に TRUE
$a <> $b等しくない$a が $b に等しくない場合に TRUE
$a !== $b等しくない $a が $b と等しくないか、同じ型でない場合に TRUE (PHP 4 で導入)。
$a < $bより少ない$a が $b より少ない時に TRUE
$a > $bより多い$a が $b より多い時に TRUE
$a <= $bより少ないか等しい$a が $b より少ないか等しい時に TRUE
$a >= $bより多いか等しい$a が $b より多いか等しい時に TRUE

整数値を文字列と比較する際、文字列が 数値に変換されます。 数値形式の文字列を比較する場合、それは整数として比較されます。これらの ルールは、 switch 文にも適用されます。

<?php
var_dump
(0 == "a"); // 0 == 0 -> true
var_dump("1" == "01"); // 1 == 1 -> true

switch ("a") {
case
0:
    echo
"0";
    break;
case
"a": // "a" は 0 にマッチするので、決してここにはたどりつきません
    
echo "a";
    break;
}
?>

多くの型では、以下の表に(上から順に)したがって比較が行われます。

表 15-5. さまざまな型の比較

第 1 オペランドの型第 2 オペランドの型結果
null または stringstringNULL を "" に変換し、数値または文字として比較します
bool または nullあらゆる型bool に変換し、FALSE < TRUE と判断します
objectobject組み込みクラスには独自の比較基準が定義されています。それ以外の クラスは比較できません。同じクラスであるかどうかは - プロパティが 同じ値であるかどうかを配列形式で比較(PHP 4)、PHP 5 では ここで説明されています
string, resource または numberstring, resource または number文字列やリソースを数値に変換し、算術演算を行います
arrayarray要素数の少ない配列のほうが小さくなります。オペランド 1 のキーが オペランド 2 に存在しない場合、配列は比較できません。そうでない場合は 個々の要素の値を比較します(以下の例を参照ください)
arrayあらゆる型array のほうが常に大きくなります
objectあらゆる型object のほうが常に大きくなります

例 15-2. 一般的な配列の比較

<?php
// 標準の比較演算子を用いて、配列はこのように比較されます
function standard_array_compare($op1, $op2)
{
    if (
count($op1) < count($op2)) {
        return -
1; // $op1 < $op2
    
} elseif (count($op1) > count($op2)) {
        return
1; // $op1 > $op2
    
}
    foreach (
$op1 as $key => $val) {
        if (!
array_key_exists($key, $op2)) {
            return
null; // uncomparable
        
} elseif ($val < $op2[$key]) {
            return -
1;
        } elseif (
$val > $op2[$key]) {
            return
1;
        }
    }
    return
0; // $op1 == $op2
}
?>

strcasecmp(), strcmp()配列演算子, マニュアルの のセクションも参照してください。

三項演算子

もうひとつの条件演算子として "?:"(あるいは三項)演算子があります。

例 15-3. デフォルト値を設定する

<?php
// 三項演算子の使用例
$action = (empty($_POST['action'])) ? 'default' : $_POST['action'];

// 上記は以下の if/else 式と同じです。
if (empty($_POST['action'])) {
    
$action = 'default';
} else {
    
$action = $_POST['action'];
}

?>
(expr1) ? (expr2) : (expr3) という式は、式1TRUE の場合に 式2 を、 式1FALSE の場合に 式3 を値とします。

注意: 三項演算子は式であり、値としては評価されずに式の結果として評価される ことに注意してください。演算結果をリファレンスとして返したい場合に、 これを知っておくことが大切です。結果をリファレンスとして返す関数で return $var == 42 ? $a : $b; とすることはできず、 新しいバージョンの PHP では警告を発生します。

注意: 三項演算子を "積み重ねて" 使用することは避けましょう。 ひとつの文の中で複数の三項演算子を使用した際の PHP の振る舞いは、 少々わかりにくいものです。

例 15-4. 三項演算子のわかりにくい挙動

<?php
// ぱっと見た感じでは、これは 'true' と表示されると思うでしょう。
echo (true?'true':false?'t':'f');

// しかし、実際には上の出力結果は 't' です。
// なぜなら、三項演算子は左から右へ順に評価されるからです。

// 上のコードをもう少しわかりやすく書くと、このようになります。
echo ((true ? 'true' : 'false') ? 't' : 'f');

// まず、最初の式が 'true' と評価されます。この 'true' は
// (bool)true と評価されるので、それをもとに二番目の三項
// 演算子が評価されます。
?>