第 15章演算子

目次
演算子の優先順位
代数演算子
代入演算子
ビット演算子
比較演算子
エラー制御演算子
実行演算子
加算子/減算子
論理演算子
文字列演算子
配列演算子
型演算子

演算子とは、ひとつ以上の値 (あるいはプログラミング用語における「式」) から別の値 (制御構造が式になるように) を生み出すものです。 つまり、値を返す関数や制御構造 (たとえば print) は演算子と考えられますし、 何も値を返さないもの (たとえば echo) はそれ以外のものとなります。

演算子には 3 種類あります。ひとつめは単項演算子で、これはひとつの値に 対してのみ作用します。例えば ! (否定演算子) や ++ (加算子) などです。 ふたつめは二項演算子と呼ばれるものです。PHP がサポートしている演算子の ほとんどはここに含まれ、その一覧は 演算子の優先順位 にあります。

最後のグループは、三項演算子 ?: です。これは、2 つの文や実行経路から選択すると いうよりも、3 番目の式に応じて 2 つの式から選択するために使用されるべきです。 この演算子を使用する式は、括弧で囲んでおくことをお勧めします。

演算子の優先順位

演算子の優先順位は、二つの式が"緊密に"結合している度合いを指定します。 例えば、式 1 + 5 * 3 の答えは 16 になり、18 とはなりません。 これは乗算演算子("*")は、加算演算子("+")より高い優先順位を有するか らです。必要に応じて強制的に優先順位を設定するために括弧を使用する ことが可能です。例えば、18と評価するためには、 (1 + 5) * 3 とします。 演算子の優先順位が等しい場合は、左から右へ順に評価されます。

以下の表では、優先順位が高い順に演算子を挙げています。 同じ行にある演算子は優先順位が等しくなります。そのような場合は、 結合時の評価にしたがって評価順が決まります。

表 15-1. 演算子の優先順位

結合時の評価演算子追加情報
結合しないnewnew
left[array()
結合しない++ -- 加算子/減算子
結合しない~ - (int) (float) (string) (array) (object) @
結合しないinstanceof
right! 論理演算子
left* / % 代数演算子
left+ - . 代数演算子 そして 文字列演算子
left<< >> ビット演算子
結合しない< <= > >= 比較演算子
結合しない== != === !== 比較演算子
left& ビット演算子 そして リファレンス
left^ ビット演算子
left| ビット演算子
left&& 論理演算子
left|| 論理演算子
left? : 三項演算子
right = += -= *= /= .= %= &= |= ^= <<= >>= 代入演算子
leftand 論理演算子
leftxor 論理演算子
leftor 論理演算子
left,さまざまな利用法

結合時の評価が left の場合は式が左から右に評価され、一方 right の場合は その逆となります。

例 15-1. 結合時の評価

<?php
$a
= 3 * 3 % 5; // (3 * 3) % 5 = 4
$a = true ? 0 : true ? 1 : 2; // (true ? 0 : true) ? 1 : 2 = 2

$a = 1;
$b = 2;
$a = $b += 3; // $a = ($b += 3) -> $a = 5, $b = 5
?>
コードの可読性を高めるためには括弧を使用します。

注意: != よりも優先されるはずなのにもかかわらず、 PHP は依然として if (!$a = foo()) のような式も許します。この場合は foo() の返り値が $a に代入されます。